兵庫県生まれ、東京在住。
「象徴」と「消費」といった2つのテーマを取り扱い制作を行うアーティスト。
金沢美術工芸大学 大学院 美術工芸研究科 彫刻専攻 修士課程 修了
金沢美術工芸大学 美術科彫刻専攻 卒業
兵庫県立明石高校 美術科 卒業
「point-point-point」 at 日比谷OKUROJI（東京）
「やまなしメディア芸術アワード2022」入選
「内灘闘争 -風と砂の記憶-」 at 内灘町着弾地観測所（石川）
「アートハウスおやべ現代造形展」入選 アートハウスおやべ（富山）
「めいをうつ」 at 鍛治町倉庫（金沢）
「彫刻の形成 ―カタチとなる物質―」 at galerie SOL（東京）
「OuternetWorks」（個展） at 芸宿（金沢）
「ゆーとぴあ」 at ギャラリーキョロキョロ（京都）
「パーソナル人体展」 at アートベース石引（金沢）
Mail : yamauchirenraku17@gmail.com yamauchirenraku17@gmail.com
あのイーハトーヴォのすきとおった風、夏でも底に冷たさをもつ青いそら、うつくしい森で飾られたモリーオ市、郊外のぎらぎらひかる草の波。
またそのなかでいっしょになったたくさんのひとたち、ファゼーロとロザーロ、羊飼のミーロや、顔の赤いこどもたち、地主のテーモ、
山猫博士のボーガント・デストゥパーゴなど、いまこの暗い巨きな石の建物のなかで考えていると、みんなむかし風のなつかしい青い幻燈のように思われます。
では、わたくしはいつかの小さなみだしをつけながら、しずかにあの年のイーハトーヴォの五月から十月までを書きつけましょう。
金沢市の旧鍛冶町（現在の安江町）にある現在活用されていない倉庫を「表現する場」として開くため行われた展示。
日々生活の中に溶け込んだインターネットという世界、そこから受けるイメージを無理矢理現実世界へとアウトプットしたものたちを総称してOutermetWorkとした。
石川県加賀市に存在する仏教のテーマパーク「ユートピア加賀の郷」。そこにある全長73mにおよぶ巨大観音像をモチーフとした作品。
像本体はFRP素材で、抱えている直方体と台座はコンクリートでできている。コンクリートは日本においては、近代化や都市開発に多く用いられ、スクラップ＆ビルドのような消費的な記号と捉えられる。対して、観音像といった象徴的な存在を組み合わせることで、象徴と消費といったテーマを一つの彫刻に内包させる。
セメントとチョークによるインスタレーション作品。観客は作品上に散らばっているチョークで、セメント部分に自由に落書きができる。
真ん中にはセメント製の半壊した新宿の模型が単管で組まれ立っている。落書きや破壊によってディストピア的な様相ではあるが、それは一種の破壊衝動によるカタルシスでもあり、かつ破壊によってしか出せない造形、創造性を見出す。
石川県加賀市に存在する4つの廃墟にチョークで呪術的な文様を落書き写真に収めた作品。
各々建てられた年代も施設内容も異なり、昭和初期のモーテルからバブル時代のテーマパークまで。今現在過疎地になってしまった加賀市には他にも多くの廃墟が残されている。作品にある4つの廃墟は国道8号線沿いに2つ、364号線に2つあり、それら点を繋げると十字を描く。歴史的価値も見出されず、解体の目処も立てれていない産業遺物たちを舞台に何か呪術的な物語を想起させる。
内灘市で行った展示「内灘闘争 -風と砂の記憶-」での内灘海岸での展示作品。
手前の手を挙げたキャラクターの像が自身の作品、後ろの建物は第二次大戦後、アメリカ軍が設けた試射場の着弾地観測所跡である。この企画は内灘市でかつて起こった米軍試射場に対する反対運動（内灘闘争）をテーマに行わるもので、市内数か所で展示が行われた。自分は大砲の着弾地を観測するために建てられた観測所をバックに、頭が砕けたカートゥーン調のキャラクターのコンクリート像を設置。
資本主義を軸に人間、自然、ゴミをテーマに制作。ゴミを含んだ緑の像、歪められた緑の画像の垂れ幕、それを抑えるセメント、台座に並べられた複製されたゴミ（ペットボトル、ライター、レジ袋）と光るEの文字、それら諸々をアパレルショップのショーウィンドウディスプレイのように展示。綺麗に飾られた正面に対し、背後には実際のゴミや作業跡を残してある。エコロジーを謳い文句に自然やゴミという存在をパッケージ化し、実際に起こっているエネルギー問題や環境問題には盲目に消費し続ける。それらを示唆する表現を随所に散りばめ、未来のファッショントレンドの形のように展示する。
猫のような何か
3D空間上更地に立てられた旗にはGoogleのストリートビューが映し出されている。東京駅から始まりクリックで進むことで東京外を目指す映像となっている。３D空間という無限に広がる場、旗という一部の場所性を象徴するモチーフ、ストリートビューという定められた道筋。場所に囚われつつも東京からの脱出を試みる。
2022
